介護保険事業者における事故等発生時の報告の取扱いに係る標準例
第1 目的
介護保険法に基づく運営基準において,介護保険事業者(以下「事業者」という。)
は,介護サービスの提供により事故が発生した場合には,保険者である市町村及び家 族に連絡を行うこととされており,さらに,利用者の生命等に係る重大な事故等につ いては,県への報告を求めているところである。
しかし,市町村への報告がなく,その後の苦情等により事故等の発生が判明する事 例が,数多く見受けられる状況にある。
介護サービスの提供により事故等が発生した場合は,迅速な対応を行い,事故等の 速やかな解決及び再発防止を行う必要がある。
第2 標準例
事故等の報告の取扱いについては,以下を標準とする。
この標準例は,事故発生時における関係機関への報告の取扱いについての指針とし
て示すものであり,事業者においてはこの標準例を参考としてマニュアル等を作成し,
事故等の報告について万全を期されたい。
1 報告すべき事故の範囲
報告すべき事故の範囲は,原則,以下のとおりとする。 (1)サービス提供による利用者の事故等
ア.事故等とは,死亡事故の他,転倒等に伴う骨折や出血,火傷,誤嚥,誤薬等 サービス提供時の事故により,医療機関で治療(事業所内での医療処置を含
む),又は入院し,新たに心身に障害が加わるおそれや,介護保険の要介護度
が現在より重度になるおそれがあるものを原則とする。ただし,比較的軽度 な擦過傷や打撲など日常生活に大きな支障がないものを除く。
イ.事業者側の責任や過失の有無は問わず,利用者の自身に起因するもの及び第 三者によるものを含むものとする。
ウ.サービス提供には,送迎等も含むものとする。
(2)食中毒,感染症(結核,インフルエンザ,疥癬他)の集団発生 (3)従業員の法律違反・不祥事等利用者の処遇に影響のあるもの
(4)その他,火災,震災,風水害等の災害により介護サービスの提供に影響する重大 な事故等
2 報告事項
(1)市町村及び県への報告は,別添の標準様式を参考にする。
ただし,市町村で報告様式が定められている場合や,次の①の項目が明記されて いる書式がある場合には,それによっても差し支えない。
①事故等報告書
次に揚げる事項を記載するものとする。
先電話番号)
イ.利用者の氏名,住所,電話番号,年齢,性別,要介護度,被保険者番号 ウ.発生日時及び発生場所
エ.事故の概要
原因及び対応を時系列に記載する。 オ.事故時の対応
治療した医療機関名,家族への連絡状況等を記載する。 カ.事故後の対応
利用者や家族の現況,再発防止への取り組み,損害賠償等の状況を記載する。 (2)報告に際しては,その他必要と認める書類を添付する。
例)事故発生場所の見取り図,サービス計画書,緊急時の連絡体制 等
3 報告手順
事故等が発生した場合は,速やかに家族に連絡するとともに市町村に報告する。 なお,利用者の死亡に至る事故など生命等に係る重大な事故等については,併せて茨 城県保健福祉部高齢福祉課にも報告する。
また,感染症の集団発生が疑われる場合には,速やかに嘱託医・協力医療機関に相談 し,当該嘱託医等の判断のもと,当該嘱託医から管轄保健所に連絡し,併せて,市町村 及び茨城県保健福祉部高齢福祉課に報告する。
(1)第一報
事業者は,事故等が発生した場合は,速やかに家族に連絡するとともに,市町村に 報告書を提出し,居宅介護支援事業者にも同様の報告書を提出する。
緊急性の高いものは,電話又はファックス等により事故等発生の第一報の連絡を行 い,その後速やかに報告書を提出する。
なお,利用者の生命等に係る重大な事故等については,茨城県保健福祉部高齢福祉 課にも,市町村と同様の報告書を提出する。
(2)途中経過及び最終報告
(標準様式)
事故等報告書
殿
報告年月日 平成 年 月 日
報告者
事業者の名称及び所在地 Tel
事業所の名称及び所在地 Tel
責任者名 連絡先
氏名
住所
電話番号 Tel
利用者
性別 年齢 歳 要介護度 被保険者番号
発生日時 平成 年 月 日 時 分 発生場所
事故の
概要
【概要(原因・経緯等)】
治療した医療機関名 医療機関所在地
【治療の概要】
事故時
の対応
【利用者や家族の現在の状況】
【事業所としての再発防止への取り組み】
事故後
の対応
【損害賠償等の状況】
その他
連絡事